2024 AUTOBACS SUPER GT Rd.7「AUTOPOLIS GT 3Hours RACE」|88号車ランボルギーニが今期2勝目、大逆転での優勝!
2024年のAUTOBACS SUPER GTシリーズ第7戦が10月21日・22日に大分県のオートポリスで行われ、今回も欧州スーパーカーが大活躍を見せた。
舞台となるオートポリスは大分県と熊本県の県境に位置し、山間に建設されたサーキットということもあり、標高が高いためターボエンジン勢が有利とも言われている。またコースの高低差があり、全体的に回り込むコーナーが多く存在しているためタイヤへの負担が大きいコースということでも知られている。晴れていれば、サーキットへの道中含めて阿蘇の絶景が楽しめる場所なのだが、天候に影響される週末となり、21日(土)朝の公式練習は濃霧によりキャンセル。午後の予選前には雷を伴う激しい雨に見舞われ、ランオフエリアの土砂がコース上に流れ出るほどサーキット施設にも影響を及ぼす荒天となった。そしてレーシングカーが走れる状態に戻るまでには時間がかかるとして、14時ごろにこの日のセッション全てがキャンセルされることが発表された。
スケジュールは大きく変更され予選に関しては22日(日)朝に順延し、30分間の計時方式に変更。気温12℃、路面温度13℃と予想よりも寒く霧も残っている状態ではあったが、走行に支障はないとして予定通り予選が始まった。前日に降り続いた雨の影響で、コース上は濡れている箇所がいくつかあるなか、セッション終盤にトップタイムを記録したのは6号車UNI-ROBO BLUEGRASS FERRARI。前回のSUGO大会でも活躍したフェラーリ296GT3が、九州の地でも活躍し予選1位を獲得した。
午後の決勝レースは3時間で争われたが、序盤からアクシデントが相次ぎセーフティカーが導入される波乱の展開。ちょうどピットストップのタイミングと重なる場面もあり、各チームがとった戦略が明暗を分ける結果となった。
そこでトップに立ったのが15番手からスタートした88号車VENTENY Lamborghini GT3。今季の第2戦で既に勝利を収めているランボルギーニが、レース終盤でトップに浮上。そのままライバルを寄せ付けない走りで今季2勝目を飾った。2位にはTOYOTA GR86を走らせる2号車muta Racing GR86 GTが入った。ドライブスルーペナルティを科せられる場面もあったが、見事な追い上げでランキングでもポイントリーダーに5ポイント差まで迫っている。3位にはレクサスRC Fを駆る96号車K-tunes RC F GT3が続いた。また4位には7号車BMW M4 GT3、5位に777号車アストンマーティン ヴァンテージGT3、6位に65号車メルセデスAMG GT3と、今回も欧州マシンが上位に名を連ねる結果となった。もちろん、シリーズのランキング争いでも65号車LEON PYRAMID AMGを筆頭に欧州マシンが上位につけており、年間王座をかけた争いにも注目が集まっている。
GT500クラスでも随所でバトルが展開され、一時はニッサンZがワン・ツー・スリー体制を形成する圧倒的な戦力を見せつけた。その牙城を崩したのが、波乱の展開を味方に絶妙なピット作戦をとった39号車DENSO KOBELCO SARD GR Supraだった。10番手から大逆転でチームとしては4年目の大勝利を収め、トヨタGRスープラが2戦連続で優勝を飾った。予選および決勝も中盤まで好調だったニッサンZは優勝こそ逃したものの、23号車MOTUL AUTECH Zと3号車Niterra MOTUL Zが表彰台を獲得した。シーズン終盤戦ということもあり、両クラスでタイトル争いがより一層白熱した展開となっている。
次戦となる第8戦もてぎ大会は11月2日から3日に栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催される。毎年最終戦として位置付けられているが、第5戦鈴鹿大会の延期と規則に伴い実質7戦目となる第8戦もてぎ大会はノーウエイトではなくハーフウエイトで争われることになる。
写真=南 博幸 文=吉田知弘 編集=濱田寧々