2024 AUTOBACS SUPER GT Rd.5「SUZUKA GT 300Km RACE GRAND FINAL」|最終戦鈴鹿でもランボルギーニが強さを発揮し3連勝!逆転でGT300チャンピオンに輝く!
2024年のスーパーGT第5戦が12月7日・8日に三重県の「鈴鹿サーキット」で行われ、88号車VENTENY Lamborghini GT3が今季4勝目を挙げ、逆転でGT300シリーズチャンピオンを獲得した。
この第5戦は本来8月31日・9月1日に開催を予定していたが台風10号接近の影響により、この週末に延期された。GT300クラスは最終戦までチャンピオン争いがもつれ込み、前回の第8戦もてぎ大会終了時点で65号車LEON PYRAMID AMGがランキング首位をキープし、それを11ポイント差で追いかけるのが88号車のランボルギーニ・ウラカン。このシリーズ最終戦では成績に応じて課されてきたサクセスウェイトがゼロになるため、まさにガチンコ勝負のバトルが繰り広げられた。
そんななかで予選から速さを見せたのが、逆転王座を狙う88号車ランボルギーニだった。Q1ではトップタイムを記録し、同じウラカンを使う87号車 METALIVE S Lamborghini GT3が2番手タイムをマーク。コーナーが連続する特徴を持つ鈴鹿サーキットで、ランボルギーニが圧倒的な速さをみせた。続くQ2では日産GT-R GT3がトップタイムを奪うも、88号車ランボルギーニが2番手に食い込み、合算タイムで総合トップに浮上。勝負の1戦でポールポジションを獲得して3ポイントを加算し、ポイントリーダーとの差を8ポイントに縮めた。対する65号車AMGは10番手にとどまり、決勝では追い上げていく展開となった。
予選では、今季やや苦しいシーズンを強いられていた61号車SUBARU BRZ R&D SPORTが速さを取り戻し、2番手を獲得。3番手にはQ1でスピンを喫すも渾身のアタックで予選Q2進出を手にした2号車muta Racing GR86 GTが食い込み、大逆転王者の可能性を繋いだ。
冬の寒さを感じるなかでの決勝レース。冷えたタイヤを温めるためにパレードラップのちのフォーメーションラップが普段より1周追加され決勝がスタート。88号車ランボルギーニがレースを先行していくなか、ライバルたちもトップを目指して様々な手を講じてきた。65号車AMGをはじめ2号車GR86 GTや31号車apr LC500h GTらブリヂストン装着勢がタイヤ無交換作戦を選択し、着実にポジションアップ。2号車GR86 GTはGT300クラスでは最後までピットのタイミングを先延ばしにし、一時はトップに浮上する。ただ、タイヤ無交換作戦を採ったチームはレース後半に向けてペースがやや伸び悩むことに。そのため、リヤタイヤ2本を交換していた88号車ランボルギーニは一気にペースアップしていき、後半のペース維持とピットストップの時間短縮を図っていた。狙い通り後半は力強い走りで前をいくライバルを追い抜いていき、レース終盤でついにトップを奪取。
最後は2号車GR86 GTに対して9.2秒の差をつけてトップでチェッカーを受けた。今季4勝目を飾るとともに逆転でシリーズチャンピオンを決め、チームにとってはレース初参戦の1994年から30年目にして初めての戴冠と、歴史に残る瞬間となった。2位には2号車GR86 GT、3位には31号車LC500h GTが入った。65号車AMGも最後まで善戦し4位入賞。チャンピオン獲得とはならなかったが、苦手意識の多かった鈴鹿で4位を獲れたことをポジティブに捉えていた。
GT500クラスは36号車au TOM’S GR Supraが予選でポールポジションを獲得し、決勝レースを待たずにチャンピオンを決定させた。決勝レースではライバルに迫られる場面も何度かあったが、冷静に対処してトップを守り切り、ポール・トゥ・ウィンで今シーズン3勝目をマーク。王者としてふさわしいとも言える有終の美を飾って今季を締めくくった。2位には17号車Astemo CIVIC TYPE R-GT、3位には最後尾から追い上げを見せた12号車MARELLI IMPUL Zが続き、異なる3メーカーが表彰台を分け合う結果となった。
SUPER GTは2024年シーズンも欧州GT3マシンを始め、国産メーカーなど多くのチームが参戦し1年間を戦い抜いた。SUPER GTは年々、多くのファンがサーキットに足を運び高い人気を誇っており、随所で繰り広げられたさまざまな熱いバトルに歓喜しシーズン終了を迎えた。2025年シーズンはどのような多くのドラマが生まれるのか、ぜひ期待してほしい。
写真=南 博幸/鈴木華子 文=吉田知弘 編集=濱田寧々