2024 AUTOBACS SUPER GT Rd.8「MOTEGI GT 300km RACE」|88号車ランボルギーニが連勝!最終戦は欧州車対決か!?
2024年のSUPER GT第8戦が「モビリティリゾートもてぎ」で11月2日・3日に開催され、GT300クラスは、今回もランボルギーニが速さをみせ、88号車VENTENY Lamborghini GT3が今季3勝目を挙げた。
後半戦は悪天候に見舞われることが多いが、このもてぎ大会も予選日は雨模様となった。しかし、レーシングカーが走れるほどの雨量ということで、予定通り公式予選が行われたが、途中で雨脚が強くなったタイミングで一時中断される場面もあった。降雨のなかでのタイムアタックの結果、ブリヂストンタイヤを履く31号車apr LC500h GTがポールポジションを獲得。ミシュランタイヤを履く7号車Studie BMW M4がグリッド最前列の2番手に並び、3番手にはヨコハマタイヤ装着の18号車UP GARAGE NSX GT3が続き、トップ3は異なるタイヤメーカーが占めた。
また、チャンピオンを争うランキング上位チームでは、第7戦オートポリス終了時点でランキング首位の65号車LEON PYRAMID AMGは予選で一時トップタイムを出した場面も見られたが、最終的には4番手に。ランキング2位の2号車muta Racing GR86 GTは、予選14番手までを決めるアッパー14への進出が惜しくも叶わず、16番手と中団に沈む結果となった。
決勝レースは一転して晩秋の青空の下でドライコンディションとなり、300kmのレースがスタート。31号車LC500h GT、7号車BMW M4が先行するなか3番手につけたのが、ランキング首位を走る65号車AMG。重いサクセスウェイトを背負う状況下でも、トップ争いに食らいついていく力強い走りをみせていく。さらにブリヂストンタイヤの65号車AMGはタイヤ無交換作戦を実行。大幅に作業時間を短縮し、着実にポジションアップを狙っていく。同じくブリヂストンタイヤを装着し無交換作戦を選んだ31号車LC500h GTを追う展開に、しかしその背後には好ペースで追い上げる88号車ランボルギーニの姿が周回ごとに近づく。
雨の予選で上位に食い込めず17番手に沈んでしまった88号車ランボルギーニだったが、決勝ではコツコツと順位を挽回。途中のピットストップではリヤタイヤ2本を交換しており、タイヤ無交換作戦を採るトップ集団とは異なる戦略で追い上げていた。これにより後半もペースを上げ、中盤頃にはポイントリーダーの65号車AMGとの接近戦に勝利してトップに浮上。そのまま差を広げていき、最終的に2番手以下に対して大差をつけて今季3勝目をマーク。前戦のオートポリス大会に続く連勝でランキング2位に浮上し、チームとして初のチャンピオン獲得に向けて大きく邁進した。2位には65号車AMGが入ってランキング首位を維持したが、88号車ランボルギーニとは11ポイント差にまで迫られており、最終戦は油断を許さない状況で臨まなければならない。3位には18号車NSX GT3が入った。
なお、GT500クラスは64号車Modulo CIVIC TYPE R-GTが今季初のポールポジションを獲得したが、決勝はポイントリーダーの36号車au TOM’S GR Supraが強さを誇示。3番グリッドから53kgのサクセスウェイトを背負いながらも前半スティントのうちにトップに立つと、後半も最後まで好ペースを披露。最終的に2番手以下に対して20秒以上のアドバンテージを築いて今季2勝目をマークした。2年連続のタイトル獲得に向けて大きなリードを広げた状態で最終戦に挑む。2位には8号車ARTA MUGEN CIVIC TYPE R-GT #8、3位には38号車KeePer CERUMO GR Supraが入った。
また、ランキング2位につける100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTは6番手で終え、トップと18ポイント差の2位につけており、タイトル獲得の可能性を僅かに残している。3位表彰台を獲得した38号車KeePer CERUMOはトップと22ポイント差の3位につける結果となった。
2024年のスーパーGTも残すところ1戦、GT300クラスではメルセデスvsランボルギーニの一騎打ちが展開されそうだ。ただ、今大会において13位でフィニッシュとなりランキング3位に陥落した2号車GR86 GTは、トップとは20ポイント差でまだチャンピオン獲得の可能性は少なからず残されている。GT500クラスはポイントリーダーの36号車au TOM’S GR Supraがこのもてぎの勝利で2連覇に大きく近づいた。ただ12月に開催される最終戦鈴鹿では前例のない冬のレースとなるために展開が読みづらく思わぬ波乱も予想される。注目の最終戦は12月7日・8日に三重県の「鈴鹿サーキット」で開催される。
写真=南 博幸/鈴木華子 文=吉田知弘 編集=濱田寧々