2024 Japan Cup Round 1&2 SUGO|BINGO RacingのコルベットC7が2連勝を飾る。
ヨーロッパ、アメリカ、オーストラリア、アジアなど世界各地で開催されている「ファナテック・GTワールドチャレンジ・パワード by AWS」。ここ日本で行われる「ジャパンカップ」は、FIA GT3、FIA GT4、各社Cup車両を使用し、それぞれのクラスでチャンピオンシップが争われる。昨年まではシリーズ内選手権の位置だったが、今年からは独立したシリーズとして単独開催となった。SUPER GTやスーパー耐久などエンデュランスレースが盛んな日本において、1時間というスプリントレースで行われるのは大きな特徴といえる。タイヤはピレリによるワンメイク。基本的には2人1台でのエントリーとなり、予選は土曜日に各ドライバー1セッションで行われ、Q1担当ドライバーのリザルトがレース1のグリッド、Q2担当ドライバーのリザルトがレース2のグリッドに反映される。決勝レースは各1時間のレースとなり、25分から35分の間にピットオープンされ、その間にドライバー交代が義務づけられている。
開幕戦は6月8日(土)、9日(日)に宮城県のスポーツランドSUGOにて開催された。GT3の予選ではK-Tunes Racingの98号車フェラーリ296がQ1、Q2ともにポールポジションを獲得。圧倒的な速さをみせた。GT4の予選では日本人ドライバーとインドネシア人ドライバーのコンビで参戦するTOYOTA GAZOO RACING インドネシアの39号車GRスープラがこちらもQ1、Q2ともにトップタイムを記録した。
曇り空のもと行われたレース1は、クリアなスタートをきったもののヘアピンでComet Racingの7号車フェラーリ296と、ANR with VSRの563号車ランボルギーニ ウラカンが接触。7号車がスピンを喫し、順位を落としてしまう。ポールポジションから快調に走行していた98号車フェラーリ296はレース残り35分の時点でピットインし、トップでコースに復帰する。しかし、2番手を走行していたBINGO Racing の9号車コルベットC7がプロドライバーに交代したことでペースをあげていく。残り24分で98号車フェラーリに追いついた9号車コルベットがインを差し、オーバーテイクに成功すると徐々にリードを広げていく。一方、その後方ではK-Tunes Racingの96号車レクサスRC-Fと563号車ランボルギーニの3番手争いが勃発。果敢な走りをみせた563号車が馬の背コーナーで96号車をパスし3番手に浮上。その後も上位勢各車がコンスタントに周回を重ね、9号車コルベットがトップでチェッカーを受けた。2番手には98号車フェラーリ、3番手には563号車ランボルギーニがついた。
GT4クラスでは、前述のヘアピンでおきたアクシデントで前を塞がれてしまった39号車GRスープラがトップから大きく順位を落としてしまう。このタイミングでYZ Racingの50号車BMW M4が先行することに成功すると、GT4クラスをリードし続けクラス優勝を飾った。2番手にはWAKAYAMA TOYOTA with HOJUST RACINGの38号車GRスープラ、3番手にはSUNRISE BLVDの82号車ポルシェ ケイマンとなっている。
続いて行われたレース2では、98号車フェラーリ、9号車コルベット、563号車ランボルギーニがスタート直後の1コーナーで3ワイドになると、563号車がトップへジャンプアップ。2番手には9号車コルベットがつき、それを98号車が追いかける形で周回を重ねる。ピットオープンが迫るタイミングで563号車に抑え込まれていた9号車がようやく攻略しトップが入れ替わると、そのまま9号車が独走状態となる。9号車はノーミスでピットワークを完了すると、依然としてトップをリードし続け、レース1に続くWウィンを飾った。2番手には98号車フェラーリ、3番手にはTeam MACCHINAの55号車マクラーレン 720Sが表彰台を獲得した。
GT4クラスではレース1のリベンジとも言えようか、39号車GRスープラが終始トップを走行しポールトゥウィンとなった。2番手は38号車GRスープラ、3番手は50号車BMWとなった。
写真=南 博幸 文=鈴木華子 編集=濱田寧々