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BBS RI-D × 911 Carrera (type991)|伝統のうえに新境地を拓いた、同期同士のコラボレーション。

2011年生まれながら、今も最前線を突っ走る。

 2011年に7代目として登場した991型ポルシェ911は、あらゆる意味で新時代を象徴したものだった。伝統の姿カタチを受け継ぎながらも、ホイールベースやトレッドの拡大など貫いてきたパッケージにメスを入れ、水平対向を貫くままにパワートレインを改良した。それは911が水冷化された時と同様の全面刷新だった。

 運命のイタズラか、それともお互いが呼応しあったのか、その同年に登場したのがBBS RI-Dだ。これも991型911と同じく全面刷新と呼びたいものだった。クロススポークというBBSの伝統芸を残しつつも、その本数は極限まで少ない2×5本スタイルに。その上でまるで生命体のように湾曲し、スポークの縦断面や股部の駄肉処理も申しぶんない造形を構築した。これらはBBSジャパンが世界に先駆けて実用化した「超超ジュラルミン鍛造製法」の上に成り立っている。

 2011年生まれの同期にして、ともに過去と未来をクロスオーバーさせたような存在なのだから、これが似合わないはずがない。目の前に現れたのは991型911カレラ。KW V3で前後とも35㎜ほど車高を落とした上で、マッチングさせたのは件のRI-Dだ。前後ともに20インチで、タイヤはフロント245/35ZR20、リア305/30ZR20のミシュラン・パイロットスポーツ4S。ポルシェ純正オプションの20インチと比べると、フロントは純正同サイズ、リアのみ10㎜ほど太くした設定が絶妙だ。先に述べた超超ジュラルミン鍛造製法を基にした研ぎ澄ました造形の恩恵でホイール単体重量は、それぞれ8.2kg、8.9kgに抑えられる。結果として足もとに重量物が何もないような軽やかさを感じ取りながら、しかしRRらしい懐深きフットワーク性能を感じ取ることができる。

 純白のボディを引き締めるかのごとく、ホイールカラーはマットブラックで。奥に潜むブレーキシステムが強調されるばかりか、ブレーキダストを気にせずガンガン走れる色味でもある。全方位型のグランツーリスモこそカレラらしさだけに、日常からトラックまで臆せず走っていたい。そんな時、何の気苦労もなく寄り添ってくれてその動的性能を引き立ててくれるRI-Dは、やはり911とは親和性が高い。同期同士が手を取り合ったその姿には、時間軸を超えた魅力が宿る。

写真=益田和久 
文=中三川大地 
問い合わせ=BBSジャパン 03-6402-4090 https://bbs-japan.co.jp 
取材協力=ボンド名古屋 052-602-6655

初出:『MOTORIST vol.1』(2024年4月15日発売)
※内容は発売当時のものです。掲載にあたり一部加筆修正をおこなっています。

PRICE LIST
20×8.5 ¥311,300
20×11.0 ¥327,800

KW V3で前後とも35㎜ほど車高を落としたスタイリング。

リムへかけて二手に分かれるクロススポークこそBBSの伝統。RI-Dはそれを極限まで突き詰めた5本クロススポークへ。リムへ向かうに従ってスポークが細くなる造形を持つ。

超超ジュラルミン鍛造製法を示す「DURA」のセンターキャップがマットブラックの中で際立って見える。P.C.D.130に設定されるボルトホールまわりは無駄のない形状だ。

タイヤはフロント245/35ZR20、リア305/30ZR20のミシュラン・パイロットスポーツ4S。

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