SUPER FORMULA 2025 Rd.1-2 SUZUKA CIRCUIT|2025スーパーフォーミュラが開幕! 第1・2戦鈴鹿はチーム・ダンディライアンが勝利を分け合う。予選最速、野尻の今季初優勝はお預けに
3月7日~9日、三重県・鈴鹿サーキットで『NGKスパークプラグ 全日本スーパーフォーミュラ選手権 第1戦・第2戦』が開催され、いよいよ2025年シーズンの幕が開けた。今季は開幕戦から1ウイーク2レース制となり、各日で予選と決勝がそれぞれ行われたためチームとドライバー、ファンにとって多忙な週末となった。
同地鈴鹿では2月18~19日に事前テストが設けられたものの、積雪により1日に短縮されたため、新スペックのタイヤへの適応および各チームとドライバーにとって走行機会が少ない状況で開幕戦を迎えることに。そのため、金曜日に行われた2度のフリー走行は多くの周回を重ねる様子が見られ、午後には全車がアタックシミュレーションを遂行し、予選さながらの白熱したアタック合戦が繰り広げられた。
ここではPONOS NAKAJIMA RACINGの2台が好調さを発揮し、64号車 佐藤蓮、65号車 イゴール・オオムラ・フラガがワン・ツー。また、午前のFP1終盤における赤旗の起因となったルーキーの19号車 オリバー・ラスムッセン(ITOCHU ENEX WECARS TEAM IMPUL)はクラッシュ時に負傷し今回の2戦とも欠場に。KDDI TGMGP TGR-DCのリザーブドライバーとして登録されている野中誠太が急きょ代役参戦をすることとなった。
第1戦開催日の8日(土)はQ1からTEAM MUGENのふたりが活躍を見せ、Aグループでは15号車 岩佐歩夢、Bグループでは16号車 野尻智紀がトップタイムをマーク。Q2でもふたりによる一騎打ちへと転じ、16号車 野尻が最多記録に並ぶ自身通算20度目のポールポジションを獲得した。2番手には15号車 岩佐、3番手には6号車 太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)となった。
続く決勝レースは15号車 岩佐が絶好の蹴り出しでトップを奪取しレースを牽引していくなか、早々の1周目、そして9周目とレースが再開されてはセーフティカー(SC)が導入され、慌ただしい幕開けとなった。すると、2度目のSCラン中の10周目には波乱の展開となり、コース上を走る全19台がタイヤを交換するために一斉にピットインし、順位が著しく変動する。
華麗なピット作業で15号車 岩佐はトップを死守していたが、16号車 野尻は同時にピット作業が行えず大幅にポジションを下げ表彰台圏外へ。2番手には6号車 太田、3番手には前年度王者の1号車 坪井翔(VANTELIN TEAM TOM’S)、4番手には64号車 佐藤と上位の顔ぶれが変化した状態で中盤戦へと突入した。
ここではトップと3番手争いがヒートアップし、64号車 佐藤が表彰台圏内へ、6号車 太田がオーバーテイクシステム(OTS)を使用して首位へと躍り出たところで、またも2台が絡むクラッシュが発生。序盤から中盤にかけてSCランでのレースが続き、開幕戦から荒れた展開となったが、終盤は残り10周の超スプリント勝負へと持ち込まれた。
上位争いには変動がないまま最終ラップへ突入すると、15号車 岩佐がフィニッシュラインの通過と同時に温存していたOTSを起動して最後の大勝負を仕掛ける。再び首位奪還に向け猛プッシュし一騎打ちのバトルは最後まで続いたが、ここは6号車 太田に軍配が上がり、通算4勝目を挙げた。
4勝すべてを鈴鹿サーキットで挙げ、得意とする彼は「今までは前に出て逃げるという展開が多かったですが、今回はオーバーテイクをして勝てましたし、鈴鹿でしっかりと強さを証明できたので非常に気持ちがいいですね」と嬉しさを語った。
2位の15号車 岩佐は、惜しくも敗れ初優勝はまたもお預けに。3位は64号車 佐藤が続き、自身がスーパーフォーミュラにデビューした2022年の第9戦鈴鹿で獲得した3位以来の表彰台登壇となった。上位3台をホンダ陣営がしめるなか、前年度王者の1号車 坪井は9番手から4位へと大健闘を見せたが、16号車 野尻は7位で終えた。
熱が冷めやらぬ翌9日(日)にはダブルヘッダーとなる第2戦の開催を迎えた。快晴の下で始まった予選は、Q1のA・Bグループともにホンダ陣営がトップ3を独占するなか、第1戦と同様に16号車 野尻が抜群の速さを示す。Q2では上位10台までが0.6秒差に入る接戦となったが、16号車 野尻が安定した速さで連続ポールポジションを獲得し、新たに最多記録を樹立した。2番手には15号車 岩佐、3番手には6号車 太田と第1戦の予選と同様の顔ぶれとなった。
決勝レースは、15号車 岩佐が2戦連続でトップを奪取しレースを牽引していく。クリーンなレースが進むなか、1周目終了時点でピット作業を行うチームが現れ、上位勢では16号車 野尻、6号車 太田らが真っ先に入りピット戦略が分かれることに。そのなかステイアウトしていた15号車 岩佐に5号車 牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)が襲いかかり首位に浮上する。
淡々とリードを広げて、残り11周でピット作業を終えると、5号車 牧野はトップをキープしたまま復帰。一時は6号車 太田に首位を譲ることとなったが、残り7周でトップへと返り咲いた。チームメイト同士ワン・ツー体制が敷かれていたが、6号車 太田がコース外での追い抜きにより痛恨の5秒加算のペナルティを課されることに。だが、走行を続行し、表彰台をキープできるように淡々と走り進める。
しかし、なんと残り3周で1台がクラッシュしコースサイドにマシンを止めたことによりSCが導入され、6号車 太田のマージンが帳消しに。そのままSCランでフィニッシュを迎えることとなり、5号車 牧野が前日の雪辱を晴らす勝利を手にしたが、6号車 太田は12位まで降格、1号車 坪井と15号車 岩佐が表彰台を獲得した。
勝利を手にした5号車 牧野は「第1戦でポイントは取れましたが、ピットのタイミングで順位を落としてしまい、自分にとってはとても悔しい内容でした。第2戦は切り替えて臨んでリベンジもすることができ、鈴鹿で勝てたことがとても嬉しいです」と語った。
また、予選で速さを見せていた16号車 野尻はわずかに及ばず、4位で終えており、チームメイトの15号車 岩佐は2戦連続表彰台でポイントリーダーに立っている。結果的に鈴鹿ではDOCOMO TEAM DANDELION RACINGがレースでの強さを見せて勝利を分け合ったが、今季も非常に混戦となることが予想される。
次戦となる第3戦・第4戦もてぎは、4月18日~ 20日に栃木県・モビリティリゾートもてぎにて開催され、開幕戦と同様に1ウイーク2レース制となる。前年度と異なる時期での開催となるもてぎで、どのドライバーが制するのか注目だ。
写真=南 博幸/三家香奈子 文=三家香奈子 編集=濱田寧々